ロイヤル・オーク(王室の樫の木)
雲が重くどんより垂れ込めた冬のロンドンの悪い面ばかりではなくいい面を探そうとしました。その答えは、この夕暮れ時のような光が、朝からパブめぐりをする後ろめたさを忘れさせるということです。私はピカデリーサーカスのストーンウォーターという本屋さんを覘いて、CAMERAと略されている「真正の地ビールのための啓蒙運動」という組織の発行している「ロンドン、パブめぐり」という本を買い求めました。書店の中のラウンジでそれを読み、ロンドン橋の近くのロイヤル・オークを選び出し、そこへ行くことにしました。そこでは常連の年配客たちが止まり木に腰をかけていました。私が食べた鰯と地ビールはとても新鮮、値ごろで実のあるものでした。